税抜き処理か税込処理か

私どもの事務所はまだ開業して浅い事務所ですが、開業以来多くのお客様にご指示を頂いてきました。当然、税理士変更というケースも少なからずあるわけですは、変更される場合には必ず前3期分の決算書は頂くようにしています。他の税理士さんが作成した決算書が見れるため、大変勉強になります。もちろん、勉強のためにもらうわけではありませんが・・・

ところで、皆様の会社では消費税の会計処理は税抜きでされていますか、それとも税込でされていますか?教科書的には税抜き処理の方が有利に働くケースも出てくるはずですが、多分多くの会社様もしくは会計事務所様は税込処理を採用されているのではないでしょうか。私がこれまで勤めていた会社は税抜き処理が当たり前だったので、そういうものかと思っていましたが、意外と税込処理の会社も多いようです。通常の会計処理の場合は、多くの会社が会計ソフトを導入していると思いますので、気にすることなく処理は進むと思いますが、たまに税抜き処理では頭が混乱するケースが出てきます。

その典型が固定資産を売却した場合です。

例えば、簿価105円の車を300円で売却した場合どうなるか考えてみましょう。

税込処理では単純に次のように処理をすれば済みます・

 

借)現金300円 貸)車両105

             売却益 195

 

では税抜き処理の場合も同じように処理すればいいかというとちょっと具合が悪くなります。

なぜなら、会計ソフトでは通常自動計算により消費税が計算されるため、上記のような仕訳をすると実際には次のような仕訳が自動で作成されています。

 

借)現金300円 貸)車両100(課税売上)

             売却益 186(課税売上)

             仮払消費税 14

つまり車両の帳簿価格は105円ですが100円しか簿価が減額されていないということになります。

これは相当経理に慣れた人でなければ気付くこともないと思いますし、気付いたとしてもどうしたらいいのかと頭を抱える問題だと思います。

 

私が個人的にお勧めする方法は次のような仕訳です。

 

借)現金300円     貸)売却益 300(課税売上)

  売却益105円      車両105円   

 

一旦入金金額を全額売却益として計上し、そこで消費税の計算もしておきます。その後不課税取引として、車両の簿価を減額します。そうすると、簿価も正確に控除でき、消費税を自分で計算して別記する必要もなくなります。

 

こんなややこしいケースも出てくるので税込処理の方が簡単だとは思います。