2013年

12月

06日

銀行向け決算書って

こんばんは。武田会計事務所の武田です。今年も残すところあと数週間となりました。

さて本日は銀行向け決算書について。これは今年、私が見て会社で実際に行われていたことです。ある会計事務所が長年顧問を担当している会社様でした。とにかく資金繰りが厳しい状態にある会社様でした。とにかく銀行融資への依存度が高く、返せなくなると、また追加融資を申し込む。そしてまた同じことを繰り返す・・・。その際に銀行に決算書を提出することになりますが、赤字だと融資を断られる、または打ち切られるということで、その会計事務所からの提案で銀行向けに減価償却費を計上せず、また役員報酬を取らず、無理やり利益を出した決算書を作成する。よって、会社自体は窮地の状態にあるが、なぜか欠損金もなく、納税も行い、優良な会社に一見見える。

ここで立て直しを計るため、コストカット、その他もろもろの対策を取り、数千万円の利益が出た。しかし、元本の返済と数百万円の納税で、一向に資金繰りは改善しない。

ここでポイントは銀行向けに利益の出ている決算書を作成していることです。そして、その際に減価償却費をゼロにしている点です。費用を計上しなければ利益が出るのは当たり前ですが、後々これが響いてきて、いくらコストカットを行い、売上を伸ばすために宣伝広告を打っても、数千万程度の利益では資金繰りは全く改善を見ない会社とななったわけですが、そもそも減価償却費を計上しないで利益を出した決算書を銀行員の与信担当者はどのように見るのでしょうか。素直に利益が出ていて順調な会社ですねというでしょうか。通常、銀行の与信というのは、最終利益に減価償却費及び役員報酬を足した金額がいくらかで会社の状態を判断します。つまり減価償却を帳簿上載せずに利益を出しても与信には何の意味もないというのが一般的な銀行員の判断です。こんな言わば常識的な判断すら出来ない会計事務所がまだ多く存在することを残念に思います。