2014年

11月

02日

消費税は上がるのか?法人税は下がるのか?

こんばんは。世の中3連休。自営業者の性なのか、私は金曜日に知り合いから聞いて初めて3連休と気づきました。

さてさて、最近は大きな税制改正が目白押しです。

既に決まっているところでいえば、相続税の大幅な増税です。基礎控除が一気に4割も落ちたわけですから、これは一般的なサラリーマン家庭にとっても他人事ではありません。もちろん従来からのお金持ちの方々は、基礎控除の減額と最高税率の引き上げのダブルパンチとなっております。

といっても、相続税は基本的に富裕層をターゲットにしたものですから、一般的にはまだインパクトは少ないでしょう。実際に騒いでいるのはビジネスチャンスととらえている税理士、信託銀行の方ではないでしょうか。

 

一方で現在議論されている消費税の税率の引き上げは、全ての人に大いに関係のある内容です。消費税率を10%に引き上げは、法人税率の減税とセットで語られることが多いようです。要は税収は下げたくはないということですが、そうであれば、なぜに消費税と法人税をバーターで改正する必要があるのかという単純な疑問がわいてきます。

 

法人税の減税は国際水準からみて日本の法人税率は高すぎ、国際的な競争で不利に働くと一般的に新聞や専門書ではかかれることが多いように思われます。ただ、薄々気づいてはいましたが、これが事実なのだろうかと言われればそうでもありません。

 

少し専門的な話になりますが、法人税というのは利益に係るわけではありません。利益というのは損益計算書の一番下の数字、つまり、売上から人件費や外注費といった諸経費を差し引いた金額です。税金の計算では当然利益金額からスタートし、様々な税法特有の調整をくわえて課税所得といわれるものを計算します。ここに税率をかけて税金を計算するわけです。

 

例えば、利益が100円出ている会社があり、そこに法人税法特有の調整をくわえ、課税所得が50円であったとします。法人税率が36%であれば、法人税の金額は18円(50円×36%)となります。

 

一般的には法人税率36%が高すぎるから下げると言う議論ですが、実際の利益に対する税率は18%になります。

 

つまり、税率だけを見て高い低いという議論は本来であればナンセンスです。本日の新聞を読んでいると、実際にある学者が調査したところ、名だたる日本企業の実質的な税負担額は法定の税率を大幅に下回るという記事が記載されています。当然、我々のような税の専門家は調査こそしないが、うすうすその現実には気づいていたはずです。

 

一方で、法人税の穴埋めに消費税を引き上げるという。さらに政治的な人気取りもあり、軽減税率の導入まで議論される始末です。軽減税率というのは税に携わることのない人からすれば聞こえは良いが、実務的には混乱のもとであることはだれの目にも明らかです。そこそも、予定通り来年の10月から税率10%と、セットで軽減税率を導入した場合、実務的に対応が出来るはずもありません。本気で可能だと考えているのであれば、実社会で働いたことのない政治家の空想でしかありません。

かつて、我々は大学で税制は「公平・中立・簡素」でなければならないと習ってきた。公平や中立は何となく理解できると思うが、なぜ簡素でなければならないのか。それは自らが支払う税金がどのような仕組みで計算され金額が決定されているかを万人が見会をしたうえで納税をするためです。税の仕組みを分かりやすくする意味でも、やみくもな軽減税率の設定は避けるべきです。

 

個人的な見解はこれ以上は避けますが、ここ数年の間に我が国の税制は大きく変貌する可能性があります。我々実務家、粛々と決められた税制にのっとり、適正な税計算を行っていくだけです。