2014年

12月

27日

源泉所得税に思う

この時期は、税理士事務所では、年末調整の作業に追われています。私も本日も出勤して、先ほどまで、クライアントと年末調整の打ち合わせをしていました。

この制度はサラリーマンを税に対する意識を希薄にさせる悪の根源とも言われています。確かに、会社が勝手に税計算を行ってくれるわけですから、普段、税金について考える思考というものが無くなるのは当然です。しかも、ほとんど節税というものがありません。多少の生命保険などの控除はあっても、所得控除の金額は知れています。

さて、なぜ年末調整を行うかというと、毎月の給料から源泉所得税が概算で天引きされているために、年に一度精算する必要があるからと説明をされることが多いかと思います。

源泉所得税は、サラリーマンだけでなく、個人の自営業者に報酬を支払った場合も原則として、10%の源泉所得税が発生しています。国税庁のホームページから引用をさせて頂くと、以下のものが源泉所得税の対象になります。

 

イ 原稿料や講演料など
 ただし、懸賞応募作品の入選者などへの支払については、一人に対して1回に支払う金額が5万円以下であれば、源泉徴収をしなくてもよいことになっています。

ロ 弁護士、公認会計士司法書士等の特定の資格を持つ人などに支払う報酬・料金

ハ 社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬

ニ プロ野球選手、プロサッカーの選手、プロテニスの選手、モデルや外交員などに支払う報酬・料金

ホ 芸能人や芸能プロダクションを営む個人に支払う報酬・料金

ヘ ホテル、旅館などで行われる宴会等において、客に対して接待等を行うことを業務とするいわゆるバンケットホステス・コンパニオンやバー、キャバレーなどに勤めるホステスなどに支払う報酬・料金

ト プロ野球選手の契約金など、役務の提供を約することにより一時に支払う契約金

チ 広告宣伝のための賞金や馬主に支払う競馬の賞金

イロなどは多くの会社でも出てくる項目だと思われます。源泉徴収制度の趣旨は担税力の留保と言われます。すなわち、税金の支払い能力の高いものに支払わせるということです。

ある、租税法の大家の先生の書籍によると「(源泉)徴収納付は、納税義務者から直接に租税を徴収することが困難であるとか、能率的かつ確実に租税を徴収する必要がある場合等に租税の徴収確保のために採用される」と書かれています。

結局、源泉を引かれる側は、税金を納める能力が乏しく、さらには払わない可能性すらあるので、支払をする側に払わせた方が確実ですねということです。

これは教科書的にはそういうことでOKだと思いますが、現実の世界ではそれほど簡単なものではありません。特に報酬関係の源泉というのはどの程度支払われているのか非常に疑わしく思われます。我々のような会計事務所と顧問契約を行い、毎月きちんと帳簿の作成をしている会社であれば、当然我々から納付の連絡を行いますが、決算期だけ帳簿を作っているといった会社や個人事務所の方にとって、単発的に発生した報酬等の源泉が未納になっていることは多々予想できます。

また、報酬を受け取った側は、相手が納付をしたが否かなど確認せず、当然のごとく確定申告で還付を受けます。これって、無駄に制度を複雑にした弊害ではないかと思うのは私だけではないと思います。