減価償却方法の改正

今回はひっそりと変更された税制改正を紹介します。

経済産業省の公表している「平成28年度経済産業関係 税制改正について」によると法人実効税率の引下げのための財源として経済に悪影響の少ないものに絞って改正を行ったと書かれています。

【原文】

平成28年4月1日以後に取得をする建物附属設備及び構築物並びに鉱業用の建物の償却の方法について、定率法を廃止し、これらの資産の償却の方法を次のとおりとする(所得税についても同様とする。)。

 建物附属設備及び構築物 定額法

 

定率法と定額法を比較すると初年度の減価償却額は2倍の差が出てきます。設備投資などと比べて経済活動に直接的な影響が少ないことから、今回の改正に踏み切ったようですが、減価償却方法の変更は計算方法の違いに過ぎず、トータルの償却費に変わりはありません。その意味では、恒久的な減税の財源と言えるのかといえばNoです。

 

一方で投資減税といわれる措置(例えば生産性を向上させる機器を購入した場合は即時償却もしくは投資額の5%の税額控除)は平成28年度をもって廃止されます。税額控除の廃止は財源として有効ですが、即時償却については一時的な財源に過ぎません。

 

固定資産関係で少し面白い制度として、固定資産税の半額にする制度が新設されました。償却資産税といわれるもので、会社は机やテーブルを購入しただけでそれらに償却資産税と言われる税金が課税されます。国際的にみれば非常に珍しい税金で、かつちょっとびっくりするような制度ですが、本音を言えばこんな税金は廃止すべきだと思います。